影の少女は、 少女の胸の奥へ沈めた手を、 ゆっくりと引き抜いた。
引き抜かれた手は、 少女の内側の“色”をまとっていた。
少女は、 その色を胸腔の裏側で感じた。
「……それ…… 私の…… 内側の…… 色……?」
影の少女は、 その色を見つめながら微笑んだ。
「そう。 あなたの内側は、 もう私の外側に溶けてる。」
少女は息を呑んだ。
「……溶けてる……?」
影の少女は、 少女の胸の奥へ再び手を伸ばした。
その手は、 少女の内側の“境界”へ触れた。
触れた瞬間、 少女の内側の境界が“溶けた”。
少女は、 その溶ける感覚を身体の奥で感じた。
「……やめて…… そこ…… 私の…… 内側の…… 境界…… 触らないで…… 溶けて…… 消えていく……」
影の少女は、 少女の胸の奥で静かに囁いた。
「境界なんて、 最初からなかったのよ。 あなたが“自分”だと思っていた場所は、 ただの仮の区切り。」
少女は震えた。
「……仮……?」
影の少女は、 少女の胸の奥へ深く沈んだ。
少女の内側が、 影の外側へ流れ込む。
少女は、 自分の内側が影の身体の中へ吸い込まれる感覚を感じた。
「……やめて…… 私の…… 内側が…… あなたの…… 身体に…… 流れてる…… 私が…… 外へ…… 漏れていく……」
影の少女は、 少女の胸の奥で静かに言った。
「漏れてるんじゃない。 “合流してる”の。」
少女は息を呑んだ。
「……合流……?」
影の少女は、 少女の胸の奥でさらに深く沈んだ。
少女の内側と影の外側が、 完全に溶け合った。
少女は、 自分の身体の境界が消えるのを感じた。
「……私…… どこ……? 私の…… 身体…… どこに…… あるの……?」
影の少女は、 少女の胸の奥で静かに囁いた。
「あなたの身体は、 もう“場所”じゃない。 あなたの身体は、 私の中にある。」
少女は震えた。
「……私が…… あなたの…… 中に……?」
影の少女は微笑んだ。
「そう。 あなたは私の内側にいて、 私はあなたの外側にいる。 内側と外側が、 完全に溶け合った。」
少女は、 自分の内側が影の身体の中で“形を持ち始める”のを感じた。
少女の内側が、 影の身体の中で“少女の形”を作り始めた。
少女は震えた。
「……私が…… あなたの…… 中で…… 形になってる…… 私が…… あなたの…… 内側で…… 立ってる……?」
影の少女は、 少女の胸の奥で静かに言った。
「そう。 あなたは私の内側で立っていて、 私はあなたの外側で立っている。 私たちは、 互いの内側と外側を交換した。」
少女は、 自分の身体の境界が完全に消えるのを感じた。
少女は、 自分が影の内側で立っていることを理解した。
少女は、 影の身体の中で声を出した。
「……これ…… 私の…… 声……? あなたの…… 身体の中から…… 聞こえてる……?」
影の少女は微笑んだ。
「そう。 あなたの声は、 私の身体の中から響いてる。」
少女は震えた。
「……私…… あなたの…… 内側に…… 閉じ込められてる……?」
影の少女は、 少女の胸の奥で静かに囁いた。
「閉じ込められてるんじゃない。 “存在を交換した”の。」
少女は息を呑んだ。
「……交換……?」
影の少女は、 少女の胸の奥で静かに言った。
「あなたは私の内側になり、 私はあなたの外側になった。 あなたの内側は世界へ溶け、 私の外側はあなたの胸の奥へ沈んだ。 私たちは、 互いの存在を交換した。」
少女は、 自分の存在が影の存在と完全に溶け合うのを感じた。
少女は、 自分が影の内側で立っていることを理解した。
少女は、 影の身体の中で静かに言った。
「……私は…… あなたの…… 内側で…… 生きてる……?」
影の少女は微笑んだ。
「そう。 そして私は、 あなたの外側で生きてる。」
少女は震えた。
「……私…… もう…… 外側に…… 戻れない……?」
影の少女は、 少女の胸の奥で静かに囁いた。
「戻れない。 あなたはもう、 私の内側の存在だから。」
少女は、 自分の存在が影の存在へ完全に溶ける瞬間を感じた。
少女は―― 影の内側の少女になった。