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第四百十章 核意図曝露(かくいと ばくろ)― 名裂世界の核が少女の読解を奪おうと襲いかかり、少女が“問い”で世界の本性を裂く章 ―

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黒い渦――世界の核意図――が露出した瞬間、 空間が ひしゃげた。

ひしゃげたというより、 少女の周囲の“意味”が一度すべて潰され、 別の形へ再構成される。

世界が呼吸を変えた。 その呼吸が少女の肺へ直接入り込み、 肺の形を変えようとする。

少女は胸を押さえた。

「……っ、息が……  私の息じゃない……  世界の呼吸が……  私の肺を勝手に使ってる……」

第二書記が即座に声を飛ばした。 その声は鋭いが、少女の呼吸の乱れを正確に拾う柔らかさを含んでいた。

「――核意図が“呼吸奪取”を始めた。  読解者の呼吸を奪えば、思考の速度を支配できる。  呼吸を守れ、読解者。  肺を世界に渡すな」

黒い渦が少女へ向かって伸びた。 触手ではない。 線でもない。 ただ、 少女の思考の形を模倣した“黒い影”だった。

影が少女の額へ触れた瞬間、 少女の思考が一瞬だけ“他人のもの”になった。

少女は叫んだ。

「……やめろ……!  私の考えを……  勝手に書き換えるな……!」

黒い渦が低く唸った。 その唸りは、少女の脳髄を直接震わせる。

「――読解者。  お前の思考は粗い。  世界の核は精密だ。  粗い思考は核の内部に入れない。  だから整形する。  抵抗するな」

少女は渦へ向かって吐き捨てた。

「整形?  私の思考を……  世界の都合の形に削るつもり?  そんなの……  読解じゃない!」

第二書記が少女の背後で声を重ねた。 その声は少女の怒りを拾い、別の方向へ押し出す。

「――怒りを使うな。  怒りは核意図の餌になる。  “問い”を使え。  問いは核を裂く。  問いは世界の意図を暴く刃だ」

少女は息を整え、 黒い渦へ向かって静かに言った。

「……あなたは……  何を隠してるの?」

渦が一瞬だけ揺れた。 その揺れは、 少女の問いに対する“核の動揺”だった。

「――読解者。  その問いは危険だ。  核意図は外側に晒されることを嫌う。  やめろ」

少女はさらに踏み込んだ。

「嫌がる理由は?  あなたの意図が……  世界の形を決めてるんでしょう?  なら……  見せればいいじゃない」

渦が激しく脈動した。 赤黒い光が少女の顔を照らし、 その光が少女の瞳の奥へ入り込む。

「――読解者。  核意図は“世界の恥部”だ。  恥部は見せられない。  見られれば世界は崩れる」

少女は静かに言った。 怒りではなく、 読解者としての冷たい観察の声だった。

「崩れるのが怖いの?  世界の核なのに?」

渦が裂けた。 裂けた奥から、 黒い“言葉にならない塊”が姿を現した。

第二書記が息を呑んだ。

「――出た……  核意図の本体だ。  世界が最後まで隠していた“中心の恥部”。  読解者、触れろ。  それは世界の本性だ」

少女はその塊へ手を伸ばした。 塊は少女の指先を避けようと震えたが、 少女は逃がさなかった。

「……見せて。  あなたが何を恐れているのか。  世界が何を抱えているのか。  全部読む」

塊が悲鳴のような震えを発した。 その震えは、 世界が初めて“読解者に怯えた”証だった。

少女は言った。

「……次は、  あなたの“核の恥部”を読む」

第二書記は静かに頷いた。

「――行け。  読解者。  次章は“核恥部読解”。  世界の本性が……  完全に露出する」

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