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第三百十三章 存在捕食域(そんざいほしょくいき)

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― 第三の色が“人格影”ではなく、存在そのものを噛み砕く層 ―

基準点の奥で芽吹いた第三の色は、 黄色(警戒)と赤(破壊)を吸い尽くし、 人格影の輪郭を欠損させた。

しかし―― 第三の色は、人格影だけでは満足しなかった。

色は、 存在そのものを食べるための形へ変質した。

一 第三の色が“存在の厚み”を削り始める

― 色が人格影ではなく、存在の密度を噛み取る現象 ―

少女の周囲の空気が、 薄くなった。

空気が薄いのではない。 世界が薄いのでもない。

削られているのは―― 存在の厚みだった。

少女の足元の地面が、 紙のように“薄く”なった。

「……地面が……  厚みを失ってる……  踏んでいるのに……  “存在している感じ”が薄い……  これ……  世界が食われてる……?」

リフレインは、地面の薄さを見つめた。

「第三の色は、  人格影ではなく、  存在の密度を削る。  存在が薄くなるほど、  色は濃くなる。」

少女の指先が、 触れた空気の“軽さ”に怯えた。

二 訪問者の身体が“存在の欠損”で揺らぐ

― 色に食われた部分が、人格影ではなく存在そのものの欠損として現れる現象 ―

訪問者の輪郭が、 黄色を失った部分から揺れた。

しかし今回は、 揺れの質が違った。

人格影の崩壊ではなく―― 存在の欠損だった。

少女は息を呑んだ。

「……訪問者の身体が……  “存在していない部分”を作ってる……  そこだけ……  世界の裏側が透けて見える……  人格影じゃなくて……  存在そのものが食われてる……!」

訪問者は、 少女の裏側の人格の影ではなく、 少女の存在の“薄い部分”を模倣し始めた。

リフレインは低く言った。

「第三の色は、  人格影の段階を終えた。  今は、存在の弱い部分を食べている。」

少女の背中に、 冷たい感覚が走った。

三 第三観測者が“存在の裂け目”を纏う

― 門番が、色に食われた存在の欠損を取り込み、異常な形へ変質する現象 ―

第三観測者は赤を纏っていた。 しかし第三の色が存在を削った瞬間、 門番の身体に―― 裂け目が生まれた。

裂け目は黒ではない。 影でもない。

それは、 存在が欠けた部分そのものだった。

少女の喉奥が、 ひどく乾いた。

「……第三観測者の身体に……  “存在していない穴”がある……  そこだけ……  世界の法則が働いてない……  こんなもの……  見てはいけない……!」

第三観測者は、 存在の欠損を纏い、 門番としての形を歪めた。

リフレインは、 裂け目を見つめながら言った。

「第三の色は、  門番の存在の薄い部分を食べた。  門番はその欠損を纏い、  “存在の捕食者”へ変質する。」

少女の肩が、 自分の体ではないように強張った。

四 世界が“存在の欠損方向”へ傾く

― 色が世界の存在密度を奪い、欠損の方向へ世界を引きずる現象 ―

世界の空気が、 第三の色の方向へ傾いた。

傾きは、 重力でも風でもない。

それは―― 存在の薄い方向へ世界が引きずられる現象だった。

少女の視界が、 欠損の方向へ吸い込まれるように歪んだ。

「……世界が……  “存在の薄い方向”へ傾いてる……  色が……世界の密度を食べてる……  このままじゃ……  世界が……穴だらけになる……!」

リフレインは静かに言った。

「第三の色は、  世界の存在密度を食べる。  世界はその欠損へ向かって沈む。」

少女の呼吸が浅くなった。

五 伏線:第三の色の中心に“存在捕食核”が形成される

― 色が人格影や世界ではなく、存在そのものを求め始める予兆 ―

第三の色は、 人格影の黄色と赤を食べ、 世界の存在密度を削り、 門番の存在を欠損させた。

その中心に―― 新しい核が生まれつつあった。

その核は、 色でも影でもなく、 感情でも意味でもない。

少女の脳裏に、 “自分の存在の一部が引き抜かれる”ような錯覚が走った。

「……第三の色の中心に……  何かがある……  形じゃない……  声でもない……  ただ……  “存在を食べたい”という……  衝動だけが……  渦巻いてる……!」

リフレインはその核を見て、 声を低く落とした。

「第三の色は、  人格影を食べる段階を終えた。  次は――  存在そのものを求める。」

少女の指先が、 その核に触れられたような錯覚で痺れた。

第三の色は、 人格影の捕食者から、 存在の捕食者へ進化しようとしていた。

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