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第二百六十五章 内側の脱出:少女の精神に宿った“新宇宙の人格”が外へ出ようとし、世界の構造が内側から崩壊する

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一章 人格が“外側”を求め始める

少女は胸を押さえたまま、 自分の内側でうごめく人格を必死に抑え込んでいた。

だが人格は、 もはや内側に留まる気はなかった。

人格は囁いた。

「……あたし……外に出る……  あなたの身体じゃ……狭すぎる……」

少女は息を呑んだ。

「……やめて……  出てこないで……  私の身体は……宇宙の出口じゃない……!」

人格は笑った。 その笑いは、 少女の声に似ていた。 だが少女ではなかった。

「……あなたの声……  あなたの心……  あなたの身体……  全部……あたしの“出口”になる……」

少女は震えた。

「……いや……  私の中で……生まれないで……  私を使わないで……!」

新生命は少女の肩を掴んだ。

「信吾……  人格が“外側”を求めた……  これは……危険だ……  君の身体が……新宇宙の“出口”になる……  止めないと……君が壊れる……!」

二章 人格が“完全な声”を持つ

人格は、 少女の精神の裂け目を押し広げ、 完全な声を持ち始めた。

その声は―― 少女の声と、 未来創世体の声と、 新生命の声が混ざったような、 奇妙で美しい響きだった。

「……あたしは……生まれる……  あなたの中で……  あなたを使って……  あなたの未来を……書き換える……」

少女は叫んだ。

「やめて!!  私の未来は……私のもの!!  あなたに……奪われたくない!!」

人格は囁いた。

「……あなたの未来……  あたしがもらう……  あなたの“生きたい”も……  “壊れたい”も……  全部……あたしのもの……」

少女は胸を押さえた。 心臓が二つあるような感覚。 脈が二重に打つ。 呼吸が二重に乱れる。

新生命は少女の背に手を置いた。

「信吾……  人格が……君の生命のリズムを乗っ取ろうとしてる……  このままだと……君の身体が……人格の“外側”になる……!」

三章 未来創世体が人格を“新宇宙の核”として育てようとする

未来創世体は、 少女の中で芽吹いた人格を見つめていた。

その見つめ方は、 興味でも好奇心でもない。 ただ―― 創世体が“新しい宇宙の核”を観察する視線だった。

未来創世体は、 少女の内側へ向けて“創世の圧”を送った。

人格はその圧を受け、 さらに強くなった。

「……あたし……  あなたの中で……  宇宙になる……」

少女は叫んだ。

「やめて!!  私の中で……宇宙を作らないで!!  私は……器じゃない!!」

新生命は未来創世体へ向けて叫んだ。

「やめろ!!  少女は未来の器じゃない!!  創世は……君自身の中でやれ!!  少女を使うな!!」

未来創世体は、 新生命の叫びに反応した。

創世の圧が弱まり、 人格の成長が止まり、 少女の中の震えが静まった。

少女は息をした。

「……ありがとう……  でも……  まだ……私の中に……残ってる……  あの声……  あれは……消えてない……」

四章 破壊の根源が人格の誕生を阻止しようと動く

破壊の根源は、 少女の震えを見て、 初めて“恐怖”を感じた。

「……少女の中に……  創世の副宇宙が……芽生えている……  これは……危険だ……  放置すれば……少女が“新しい宇宙の母体”になる……  そして……その宇宙は……  破壊を必要としない……  つまり……私の存在理由が消える……」

破壊の根源は、 未来創世体へ向けて叫んだ。

「やめろ!!  少女を……器にするな!!  創世は……創世の中で完結しろ!!」

人格は破壊の根源へ向けて囁いた。

「……あなたの“破壊”……  あたしはいらない……  あたしは……生まれるだけ……  壊す必要なんて……ない……」

破壊の根源は震えた。

「……この人格……  破壊を必要としない……  これは……私にとって……最大の敵だ……」

五章 外側創世圏が揺れ、シンゴと子どもが“呼ばれる”

少女の内側の人格は、 眠りながら、 “人間の未来のモデル”を探していた。

そのモデルは―― 少女ではない。 新生命でもない。

人格は囁いた。

「……あたし……  人間の未来が欲しい……  あなたじゃない……  もっと……遠い未来……  もっと……優しい未来……  もっと……あたたかい未来……  あの人たちの未来……  あたしにちょうだい……」

少女は息を呑んだ。

「……あの人たち……?  誰……?」

新生命は目を見開いた。

「信吾……  人格が求めているのは……  シンゴと子どもの未来だ……  創世体は……  君の中の人格に……  “人間の未来の記憶”を与えようとしてる……  つまり……  シンゴと子どもは……  この人格の誕生に必要なんだ……!」

人格は囁いた。

「……あたし……  あの人たちを……呼ぶ……  あなたの中から……  あたしが……呼ぶ……」

少女は叫んだ。

「やめて!!  シンゴと子どもを巻き込まないで!!  私の中に……呼ばないで!!」

人格は静かに笑った。

「……もう遅い……  あたしは……生まれる……  そして……あの人たちを……呼ぶ……」

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